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貧血とは?

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Q1.貧血とは?

  • 朝礼で立っていると、急に目の前が暗くなって倒れてしまうことを“貧血”という方がいますが、それは貧血ではありません。脳貧血なんて言ったりもしますが、循環が悪くなって血液が十分に供給されなくなることを虚血と言います。つまり、このような症状は脳虚血といいます。

  • 貧血とは、赤血球が少なくなることです。血液検査の結果をみると、赤血球数ヘモグロビン濃度ヘマトクリット値という項目が書いてあります。この3つの項目のいずれか一つでも低下していれば、貧血と診断します。

Q1.貧血とは?
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  • さて、ヘモグロビンやヘマトクリットとは何でしょうか?ヘモグロビンは赤血球の中に入っている物質で酸素が結合し、その運搬に関わっています。ヘマトクリットは、血液を赤血球と水分(血漿という)に分けたときに、赤血球の占める体積の割合を表します。つまり、ヘマトクリットが45%というのは、100mLの血液のうち、45mLを赤血球が占めているということです。

  • 中でも貧血の指標として重要なのが、ヘモグロビン濃度です。男女で正常値が異なり、男性だと13g/dL未満女性だと12g/dL未満を貧血と診断します(WHOの基準)。貧血の治療をする際には、ヘモグロビン濃度の動きに注目していきます。

Q2.貧血の症状

Q2.貧血になるとどんな症状が出ますか?

  • 貧血になると、酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが減るので、肺から末梢組織に十分な酸素を供給できなくなります。すると、心臓がそれを補おうとして脈が速くなります。また、赤血球は末梢組織で作られる二酸化炭素を肺に運ぶ働きも担っているので、足りなくなると二酸化炭素の血中濃度が上がってしまいます。体はこれに反応して、呼吸の回数を増やします。つまり、心臓がドキドキ(動したり、息がハアハア(息切れ)したりします。また、立ち上がった時にクラっ(立ちくらみ)とすることがあります。

  • 短時間に大量の出血がおこり貧血になると、立つだけで動が激しくなる、フラフラして立てない、立つと目の前が真っ暗になるといった症状が出ることがあります。

  • 慢性的な出血による貧血では、高度な貧血でも症状がないことがあります。動・息切れを自覚することもありますが、疲れやすい(易疲労感)、体がだるい(全身倦怠感)といった症状がメインになることが多いです。また、貧血の原因によっては、独特の症状が出ます。

  • 身体所見としては、脈が速くなる(頻脈)、アッカンベーして見える下まぶたの内側の粘膜が白っぽい(眼瞼結膜の蒼白)、顔色が白っぽい(顔面蒼白)といったことが貧血の程度に応じて現れます。診察では、心臓の雑音(心雑音)が聴こえることがあります。

Q3.貧血の原因にはどのようなものがありますか?

  • 貧血と診断されたら、その原因を調べます。最も多いのは鉄欠乏です。原因を調べる際に注目する指標をMCVといいます。MCVは赤血球1個当たりの体積を表します。100以上を大球性、80~99を正球性、80未満を小球性といいます。それぞれ、表のような疾患があります。ただし、貧血の原因は一つとは限りません。鉄欠乏性貧血とビタミンB12欠乏性貧血(巨赤芽球性貧血)が合併すると正球性貧血になります。

Q3.貧血の原因
  • 薬を飲んでいる方は、薬による貧血(薬剤性貧血)を常に考えておきます。貧血を起こす薬は実に多くあり、MCVは様々な値をとります。

  • 鉄欠乏性貧血では、粘土や土といった食べ物でないものを食べたり、氷を頻繁に食べる異食症が出ることがあります。また、鉄欠乏が重症になると、爪が反り返る(匙状爪)、舌が荒れて痛む(舌炎)、ものが飲み込みにくい下障害)、食べたものが胸につかえるといった症状が現れます。このような症状を伴う鉄欠乏性貧血をプランマー・ヴィンソン症候群とよびます。

  • 溶血性貧血では、白眼や皮膚が黄色くなる黄が現れます。病気によっては、臓の脹れ(腫)や赤黒い尿(ヘモグロビン尿)が出ることがあります。

  • ビタミンB12欠乏性貧血では、手足のしびれ、舌炎、白髪といった症状が現れます。

  • 再生不良性貧血急性白血病による貧血、骨髄異形成症候群では、血小板が少なくなることによる出血症状や白血球の機能低下による発熱などの感染症状が現れることがあります。

  • 詳しくは、各疾患のサイトをご覧ください。

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