top of page
先頭

骨髄異形成症候群のリスク分類

YouTube 動画準備中

この項目のPDFをダウンロードできます。下のアイコンをクリックしてください。

Q1

Q1.MDSのリスク分類とはどのようなものですか

  • IPSS-R分類という分類法で分類します。染色体異常、骨髄中の芽球の割合、ヘモグロビン濃度、血小板数、好中球数を点数化し、その合計点で5段階に分類します。

  • Very low(とても低い)からVery high(とても高い)の5段階で、生存期間や急性骨髄性白血病に進展する危険性が異なります。

  • 治療という観点からMDSを低リスクと高リスクの2つに分類します。IPSS-R分類の場合、Very low(とても低い)とLow(低い)を併せて低リスク、Very high(とても高い)とHigh(高い)を併せて高リスクとします。Intermediate(中間)は他の因子を考慮して低リスクか高リスクかを判断します。

IPSS-R分類.png
Q2

Q2.リスクによって生存率や急性白血病への進展率はどうなりますか

  • リスクによって生存率や急性白血病への進展率は大きく異なります。

  • 生存期間中央値とは、50%の患者さんが亡くなるまでの期間を意味します。残りの50%の患者さんはこの期間を超えて生存しますので、あと何年生きられるかは、一人一人の患者さんによって異なっています。最も予後(平均してどれくらい生きられるかについての見通し)がよいvery lowであっても、経過とともに生存率は低下していることがわかります。Very highの生存期間中央値は、0.8年すなわち9.6か月であり、早急に治療を開始しなければなりません。

  • 急性骨髄性白血病への進展率は、25%の患者さんが急性骨髄性白血病に進展するまでの期間を表しています。Very lowでは、12年たっても10%程度しか進展しませんが、very highでは、2年以内に半数の患者さんが進展してしまいます。

IPSS-R 予後図.png
IPSS-R 予後表.png
ワンポイント医学知識:好中球(粒球)の分化
ワンポイント医学知識好中球の分化.png

好中球は、好中球は、図のように骨髄芽球から作られます。好酸球や好塩基球といった粒を持った細胞(粒球)も同様に分化すると考えられます。骨髄芽球、前骨髄球は細胞分裂して増えていきます。骨髄球以降は細胞分裂しません。骨髄芽球、前骨髄球は増殖しながら好中球としての性質を備えた骨髄球になり(分化)、さらにその性質を整えて状核好中球や分葉核好中球になると骨髄から血液に出ていきます。骨髄芽球から状核好中球になるのに約2週間、血液に出た好中球の寿命は2日間です。

bottom of page